◆2014.08.16〜09.21 海外研究発表研修コースに参加しました!◆

 大阪大学は「グローバル社会で活躍できる次世代の研究者・技術者を養成するためのステップアップ」を目的とした研修プログラムを毎年実施しています.そのひとつの,8月16日〜9月21日の5週間にかけて理系大学院生を対象とした海外留学プログラムに,M1の石原が参加しました!
参加者は私を含め大阪大学の基礎工・工・理学研究科の大学院生27名と今年度から新たに早稲田大学の大学院生8名が加わり,計35名がアメリカ合衆国のUniversity of California, Davis (カリフォルニア大学デイヴィス校)に留学しました!




 Davisは,人口約6 万人のうちの過半数が大学関係者(学生・教授など)であり,エコ技術の研究・開発が盛んであり,自転車の数が全米No.1であることから,治安が良くて環境意識が高いという特徴を持つ町です.




 California州の州都であるSacramentoから西へ10 km,ワイン好きなら一度は耳にしたことがあるかもしれないNapa Valleyから北東へ30 km離れたところに位置しています.



具体的にどんな研修プログラムなのか?と気になる方もいらっしゃると思うので,研修内容をざっくりと以下の5つにまとめてみました.


1. 授業中はプレゼンテーションとディスカッションの訓練をひたすら行う(もちろん言語は英語です☆).
2. Davis周辺にある研究施設や企業 (森精機・ホンダスマートハウス など) を見学する.
3. ホームステイを通して文化の多様性を経験する.
4. Silicon Valleyのベンチャー企業 (サンブリッジ)や世界屈指の名門Stanford大学とUC Berkeleyを訪問し,現地の社員や学生・教授と交流する.
5. 自ら考えて計画・実行する機会として, 毎週金〜日曜日は完全な自由時間が与えられる.



 5週間という短い間でしたが,実にたくさんの経験をすることができました.



 世界遺産のYosemite国立公園にて.ハプニングが何度か続きました.野生の凶暴な熊が出没する恐れもある森で,寝袋のみで一夜を明かしました.翌朝,4時間かけて登ったNevada滝の上からの景色は壮大でした.



 Las Vegasにて.様々な映画の舞台になっているので,私にとって強い憧れの地であり,非日常を満喫しました.そこでは意外な出会いが沢山ありました.世界のトップ企業に勤める人たちや,在日経験のある人たちと一緒にお酒を飲んで騒ぎました.
カジノは欲望と熱気の塊でした.幸いなことに,クレジットカードのキャッシング機能を無効にしていたので大損せずに済みました笑



 Los Angelsにて.Veniceビーチや,日本の富士急ハイランドと肩を並べるSix Flags Magic Mountainなどを訪れました. どのアトラクションも命の危険を本能的に感じるくらいスリル満点でした.乗り物酔いしたことは言うまでもありません.



 アメリカの豊かな家庭はプールを持ち,水着でBBQを楽しみます.



 (左) UC Berkleyにて.現地の学生と交流しました.日常生活や将来の夢について語り合いました.
 (右) Stanford大学のBook Storeにて.アメリカの大学は大学オリジナルのグッズが充実しています.Tシャツなどの衣服はもちろんのこと,車のナンプレのフレームやテントなどのアウトドア用品もありました.
かつて,ゴルフ界における伝説のTiger Woodsも背負っていたゴルフバッグを見ると,私も背負わずにはいられませんでした笑



 アメリカのゴルフ場は広い!綺麗!安い!



 出来事すべてを挙げるとキリがないので,今回は3つにテーマを絞って留学生活をお伝えしたいと思います!


その1. ホームステイ
 ステイ先にはマザーのCatherine (キャサリン),ルームメイトのMatthew (マシュー)とGeorge (ジョージ)の3人が暮らしていました.Catherineは“Cat”というニックネームで周りから呼ばれています.


 お察しの通りCatはネコが大好きです.なんと室内に8匹と屋外に2匹の合計10匹ものネコを飼っていました.



 Catは陽気でおしゃべりが大好きな人でした.また,多くの友人をもち,毎日違う友人がCatの家を訪ねて夕食を一緒に食べたりしていました笑.私は毎日2時間以上Catと彼女の友人とおしゃべりをしながら夕食を楽しみました.



 Catの誕生パーティーにて.10人を超える人がそれぞれプレゼントを持ち寄りました.私は花束と手紙を贈り,とても喜んでもらえました.
ネイティブの人が歌うHappy Birthdayは発音が本格的でした.


 Catは漢字にとても興味を持っていました.文字ひとつひとつが意味を持っていることが不思議に感じるそうです.私の名前「石原 達也」の意味("Succeeding in shooting a Sheep with an arrow from Far Away in the Grassland where there are a lot of Stone":石の多い原っぱで遠くにいる羊を矢で射抜く)を紹介すると,Catは大爆笑しながら友人に吹聴していたのがとても印象的でした.
 一方,“Catherine”という名前には“Pure Lady”という語源を持つそうなので,日本風に名前を当てると「純子(Junko)」か「清子(Kiyoko)」だよ,と教えてあげたりしました.


 (左) ある日の晩ごはん.私にはふたつの食べ物が同じに見えるのですが...
 (右) Catのお友達.そして右腕には自慢のタトゥーが.もちろん彼女は腕に彫ってある漢字の意味を知っていました笑.


 文化の違いって面白いです!


その2. 研究室訪問
 自由時間にGaNなど窒化物半導体の合成に関する研究をされているUC Davis内の研究グループを訪問しました.初めはPhDのAndrewさんが合成装置(CVD法)や透過型電子顕微鏡(TEM)を紹介してくれました.その後,Mahajan教授と学部生のStevenさんと私の4人でランチをご一緒させてもらえました.


 左からMahajan教授,Stevenさん,私,Andrewさん


 Mahajan教授との会話はとても緊張しました.
ひとつ目の理由は,英語に敬語が無いからです.例えば「ボクの研究資料を見ていいよ.」と伝えたい場合,同級生に対しても教授に対しても同じ表現“You can see my research data.”を使います.もちろん私たちは英語に敬語が無いことは中学生の頃に知識として学びますが,実際に体験してみると強い違和感を覚えました.
ふたつ目の理由は,研究の話の他に「君はアメリカの事をどう思う?」や「今の日本の強みは何だ?問題は何だ?」という質問がガンガン飛び交うからです.このランチの場に限らず,若者を含めアメリカに住む多くの方は政治・経済・歴史などの社会情勢に関する教養が豊かであり,自分の意見をしっかり持っているという印象が強かったです.

 訪問の最後に,私が学部4年生の頃に行っていたGaNの圧電定数計測の研究を紹介して欲しいと頼まれました.これが私にとって初めての英語のプレゼンテーションでした.私の研究にMahajan教授もAndrewさんもとても興味を持ってくださって,「共同研究をしよう!君が日本に帰国する際に我々が作成した試料をいっぱい持って帰ってくれ!」と何度も言ってくれました.この時感じたことは,私の英語がどれだけ下手であっても,話している内容に幾らかの価値があったので(恐縮です),先生方は話を理解しようと努力してくださったということです.平尾研には数多くの武器がありますが,そのひとつであるピコ秒超音波法が極めて素晴らしい計測手法であるということがMahajan教授の露骨な反応から確認することができました.

 「高度でユニークな技術・英語力・教養」を身につければ,国際社会においても十分に通用するということが学ぶことができた一日でした.


その3. プレゼンテーションのトレーニング

「“アメリカ人のうちの過半数が人前で話をすることに苦手意識を持つ“という統計がある.スピーチが得意と言われているアメリカ人ですら過半数は苦手だ!だから,君たちも人前で緊張して当然だ!」という先生の激励からプレゼンテーション研修はスタートしました.今思い返すと,先生の授業そのものがプレゼンテーションの素晴らしいお手本でした笑

私たちは,自己紹介や“何歳から子供にスマホを使わせるべきか”“健康的な食事にいくら支払うべきか”など様々なテーマを与えられて,クラスメートの前でひたすらスピーチをしました.そして発表後は,先生やクラスメートが発表者にフィードバックをするという流れの授業を毎日行いました.


クラスメートから私の発表に関するフィードバック 「説明にもっと時間をかけるべき」「表現を変えた方がいいと思う」など貴重な指摘をたくさん書いてくれています.このメッセージは今も大切にとっています.


研修の最後には,参加者全員が各々の研究内容を発表する大会を開きました.参加者の専攻は様々だったので,それぞれの研究がとても新鮮に感じました..

発表当日の朝,レンタル自転車の盗難に遭い$200の罰金を払わなければならず心中は発表どころではなかったのですが,研修留学の集大成ということで気持ちを切り替えて臨みました. (保険が適用されたので帰国後に罰金代は取り戻せたのでよかったです笑)


GaNの圧電性とキャリアの影響について発表しました


発表ではクラスメートから頂いた指摘や研修で学んだことをなるべく実行するよう努めました. その姿勢が功を奏してか,入賞することができました.


“Outstanding Presentation”と書いてある賞状と景品をいただきました


まだまだ完璧とは程遠いですが,頑張って研修に取り組んだ甲斐がありました.この研修の成果を発揮できるように,まずは研究を頑張って学会参加を目指したいと思います.





この5週間は本当にあっという間でしたが,普段とは違った学びや経験をたくさん得ることができました.
この研修を企画・運営してくださった方々,私が参加するのを快諾してくださった先生方,陰からサポートしてくださった仲間や両親に感謝しています.


最後までお読み頂き,ありがとうございました.



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